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バラの種類・系統とは?現在では5万品種以上あるともいわれています。

バラの品種は毎年、数百点が世界で作出されていて現在では3万品種以上とも、5万品種以上あるともいわれています。これだけの品種の元となったバラの原種や基本種は十数種で、人間によってどんどん新しい品種が作り出されています。

原種・基本種のバラ

バラの品種の中でも歴史あるオールドローズや現代バラとして知られるモダンローズの元となったバラが原種・基本種のバラです。原種のバラは野生バラのことを指し、基本種のバラは歴史が探れないほど古くから栽培されていたバラのことを言います。

原種・基本種のバラの仲間

原種・基本種 特徴
コウシンバラ(ロサ・キネンシス) 中国四川・雲南省原産。モダンローズに四季咲き性を伝えたバラ。
ダマスク・ローズ(オータム・ダマスク) アジア原産。ダマスク香があり、ピンクの花色と芳香がモダン・ローズに受け継がれています。
ノイバラ(ロサ・ムルティフロラ) 日本原産。小さな花を房状に咲かせる房咲き品種の元となったバラ。
オーストリアン・イエロー(ロサ・フェティダ) 中東アジア原産。16世紀にヨーロッパに伝えられ、黄色いバラの元になったバラ。
ハマナス(ロサ・ルゴサ) 日本原産。紫がかった深紅の大輪の花で、本州北部から北海道にかけての海岸砂浜に自生しています。
ケンティフォリア・ローズ(ロサ・ケンティフォリア) 100枚の花びらのバラという意味を持ったバラ。ダマスケナとアルバの自然交雑種だとされています。
ガリカ・ローズ(ガリカ・オフィキナリス) 西アジアの自生種。ヨーロッパに持ち込まれたのち、濃紅色の花色と大輪性の元となったバラ。
アルバ・ローズ(アルバ・セミブレナ) 白色大輪のさわやかな香りのバラ。1597年以前から栽培されていて、灰緑色の楕円形の小さな葉が特徴。

他…ロサ・ギガンテアやロサ・モスカータなど

オールド・ローズ

オールド・ローズは1867年以前に作出されたバラを指し、優雅な花の形と芳醇な香りを持ち合わせます。育てやすく丈夫なものが多いです。

オールド・ローズの仲間

オールド・ローズ 特徴 品種例
ティー系 木立性で四季咲きのバラ。花は小輪で桃色や濃紅色のものが多く、紅茶(ティー)の香りが特徴です。 デュセス・ド・ブラバン、ザ・ブライド、レディ・ヒリンドン、マダム・ジョセフ・シュワルツなど
ブルボン系 西洋バラと東洋バラが交配されて誕生したバラ。ブルボン島で発見されたことからブルボン系といわれるようになりました。つる性で返り咲きが特徴です。 ブル・ド・ネージュ、ブルボン・クイーン、ラ・レーヌ・ビクトリア、マダム・ピエール・オジェなど
ケンティフォリア系 原種のケンティフォリアから改良された品種で、16世紀ごろから18世紀初めに生まれた系統です。現存する品種は少ないものの、オールドローズを代表する特徴的な形と芳醇な香りを持ち合わせます。 ジュノー、ティップカッセル、ファンタン・ラトゥール、ロサ・ケンティフォリアなど
ハイブリッド・パーペチュアル チャイナ系と西洋オールドローズの交配をさらに改良した系統です。19世紀から20世紀にかけてよく作出されました。冬剪定をしっかり行うと春に花をよく付けます。 ヴィクトール・ヴェルディア、エンペラー・デュ・マロック、デューク・オブ・エジンバラ、ロジャー・ランベリンなど
ノワゼット系 コウシンバラとロサ・モスカータの交配から生まれた系統。シュラブイプとクライミングタイプがあり、四季咲き性で、遅咲きの特徴がある。開花期間が長く、小輪、房咲きが多いです。 シンデレラ、ルイズ・ダルザン、ブーケ・ドール、マリー・デルマー、マーシャル・ニールなど
モス系 つぼみや茎が細かい柔毛に覆われていることからつけられた系統名です。17世紀終わりごろにロサ・センティフォリアから突然変異により生まれた品種が最初とされています。 ガブリエル・ノエル、サレ、ジェームズ・ミッチェル、ラネイ、ムスリーヌなど
チャイナ系 ロサ・キネンシスとロサ・ギガンティアから交配され、改良された系統です。19世紀初頭にヨーロッパに持ち込まれさらに改良が行われました。四季咲き性が強く、コンパクトな木立タイプが多くあります。 グリーン・ローズ、ロサ・キネンシス・アルバ、アレッサ、ズー・イェン・フェイ・ウー、ユエユエフェン、ヘルモサなど
ポートランド系 西洋系アンティークローズの特徴を残し、繰り返し咲きをよくするバラの系統です。ポートランド系の品種数は少なく希少な品種で、強いダマスク香があります。 シドニー、ローズ・ド・ロワ、デュセス・ド・ローアン、チャンピオン・オブ・ザ・ワールドなど

モダンローズ

1867年にモダン・ローズ1号のラ・フランスが作出されて以降のバラです。

モダンローズの仲間

モダン・ローズ 特徴 品種例
ポリアンサ たくさんの小輪の花を四季咲きに咲かせる系統。耐寒性があり、強健な品種が多く、良く育ちます。 オレンジ・マザーズデイ、ザ・フェアリー、マルゴズシスター、ベルル・ドール、イエスタディなど
ハイブリッド・ティー 四季咲きの大輪の1輪咲きの品種系統です。現代バラの多くがこの系統で、先人たちが長い間求めてきた理想の系統だとされています。第1号は1867年に作出されたラ・フランスで、バラの歴史が大きく変わるきっかけになったバラです。 ヘンリー・フォンダ、マリアカラス、カーディナル、ミケランジェロ、ナイトタイム、ロイヤル・プリンセス、プリンセス・ドゥ・モナコ、ピース、ブルームーン、モニカなど
クライミング つるバラの代表格の系統です。もともとつるバラとして作出された品種と四季咲きバラの突然変異でつる性になった品種とに大別されます。一季咲きから返り咲きする品種まで幅広くあります。 アンジェラ・エバーゴールド、カジノ、ギネー、コモドーレ、コンパッション、スパニッシュ・ビューティー、つるアイスバーグ、つるサマースノーなど
フロリバンダ 「花束」を意味する系統名を持ちます。ハイブリッド・ティローズとポリアンサローズの交配により作出され、四季咲き性の中輪の花を咲かせます。花月がよく、ブーケのように花を咲かせてくれます。 アイスバーグ、アプリコット・ネクター、アンバー・クイーン、エーデルワイス、カフェ、グリーン・スリーブス、シャネル、ストロベリー・アイス、ニコル、ピノキオなど
シュラブ 大きく樹木のような株張りになる特徴を持つ系統です。品種の古いものは一季咲きですが、最近では返り咲きの強い、芳醇な香りのものが多く、つぼみをとる必要もないものです。 カクテル、淡雪、サリー・ホルムズ、セバスチャン・クナイプ、マーメイドなど
ミニアチュア(ミニチュア) 優雅で小さな花弁と花冠が特徴的で、樹形のバランスが良く、上品で繊細な葉が人気の系統です。 ベビー・バッカラ、オレンジ・メイアンディナ、ショートケーキ、ゴールド・コイン、ハイジ、バンビーノ、ななこばら、リロトルタイニーなど